我が家の耐震度

東日本大震災以来、耐震用グッズの売り場も増え、大地震への備えはもちろん大切ですが、わが家が地震に耐えうる造りなのかどうかも知っておきたいところです。住居の耐震性に不安を感じる人や耐震リフォームを検討する家庭も増えているようです。 耐震リフォームについて専門の方の意見は「まず、自分の家の耐震性がどれくらいかを把握することで、お住まいの市区町村の建築行政部局に問い合わせると、地域の耐震診断を引き受けている専門家を紹介してもらえますので、不安がある場合は耐震診断を受けることをお勧めします。また、現在約600の市区町村が耐震診断や耐震改修に対して、助成制度を設けています。検討している方はこれらの制度をうまく利用しましょう。」  実際に耐震改修を行う場合、工事の基本になるのが壁や柱、基礎などの補強です。 「強い耐力壁をバランスよく配置し、建物と基礎の一体性を高めることで耐震性が向上します。一般的に、壁に筋交いや合板を入れる、土台、柱、梁、筋交いなどを金物で固定するといった耐震補強が中心になります。」 安心・安全に暮らすためににも我が家の耐震性を今一度見直してみましょう。

壁の量と配置が耐震補強のポイント

木造戸建住宅の耐震補強の方法には基礎を補強する、柱の接合部を補強するなど、様々な方法がありますが、ポイントとなるのが壁(耐力壁)の量と配置です。

窓を大きくとった壁の少ない家や、1階が車庫になっていて壁の少ない家などは、地震に弱い場合があります。

木造の柱は上から圧縮する力には強いのですが、強い横揺れには弱く、せん断破壊されてしまいます。

筋交いを入れたり、構造用合板をはった強度の高い耐力壁が必要です。耐力壁の量とそれがバランスよく配置されていることが、住宅を地震による横揺れから守ってくれるポイントといえるでしょう。

 

建物の形の例

大きな開口部や窓が多く、壁の量が不足している

壁の量が少ない建物は、柱や筋交いも少ないということで、地震の揺れに抵抗する力が弱くなります。

開口部を減らして壁を増やす、既存の壁を強くするなどの耐震補強を行い、耐震性を高めることが重要です。

  • 日差しを入れて室内を明るくするため、窓を多く設置している建物では、壁の量が少ない分、耐震性もダウン。
  • 1階部分が駐車場になっている建物は、車の出入りがしやすいように開口部を大きくしがち。壁の量も少なくなります。

***筋交いや合板で壁を強化する***

既存の壁に筋交いや構造用合板を入れて強い壁(耐力壁)にすることが、耐震補強として有効です。

壁の配置のバランスが悪く一方向に偏っている

壁の量と同じく重要なのが、壁の配置のバランスです。バランスが悪いと地震時に建物がねじれて倒壊する危険があります。建物を平面的、立体的に見たときに、壁が各方向にバランスよく配置されていることが地震に強く理想的な住まいといえます。

  • 壁の少ない部分は地震による揺れが大きく、そこから壊れていく可能性大。壁が一方向だけに偏らないよう、壁を各方向に同じくらいの割合でバランスよく配置することが耐震度アップにつながります。
  • 2階の壁面の直下に壁がないと、床を介して2階の地震力が1階の壁に流れることになり、床面に大きな負担がかかります。上下の壁を一致させて、力を均等に伝えるようにするのが良い。

建物が傷み 老朽化している

建物全体を見渡した時に、屋根の棟・軒先が波打っている、建具の建てつけが悪くなっているような場合は、建物が老朽化していると判断します。

さらに、土台や柱などが長年の湿気で腐食していたり、シロアリに食われていたりしたら、新しいものに交換を。

 

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